反復行動と社会性における困難

反復行動とは、その場に不適切な同じ行動を何回も繰り返すことです。言動的反復、運動的反復、感覚的刺激を求める行動、限定的で固定的な強い興味からの行動を含みます。環境の変化や慣れない状況は恐怖、不安、怒りを引き起こし、感情や行動のコントロールが難しくなることもあります。時間、場所、活動の順序の些細な変更でも、耐えられない場合があります。これらの理由から、自閉症スペクトラム障害(ASD)を抱える子どもは、同じルーティン、儀式、行動を繰り返す傾向があります。

運動的反復は、手を振る、ジャンプする、物を回すなどがあります。言動反復は、誰かから聞いたことやテレビで聞いたことを何度も繰り返す(遅延性エコラリア)、質問に対していつも同じ答え方をする、他の人が言ったばかりのことや文章の最後の部分だけを繰り返す(即時性エコラリア)などがあります。

興味の対象もまた反復的で限定的です。ASDを抱えているが言語力はある子どもは、同じ話題について何度も繰り返し話し、一つや数少ない話題にだけ興味を示すことが多くあります。興味のある話題についてのみ読み、話し、聴くので、社会的交流に大きな支障が出ます。他人とのやり取りでは、自分が話したいことを話すのではなく、相手が言いたいことを聞いて反応する必要があります。また、ASDを持つ子どもには、合理的でない反復的な動きや物の使い方、自傷行動、特定の物への執着などが見られることもあります。

反復行動と社会性における困難がある子どもを支援する方法は?

  • 毎日のルーティンを決め、それに沿って活動する。
  • その日の予定を確認する。
  • 興味を持っていることについて他の子どもと話すように促し、適切であれば、授業にもその内容を取り入れる。
  • 子どもにとってどのような感情や行動のコントロールの方法が効果的であるかを学び、必要な時にその方法を使うように促す。

支援を妨げる可能性があることは?

  • 子どもが拒んでいるのに、他の人に近寄ることや接触を強要すること。
  • クラスのルーティンが決まってないこと。
  • 子どもが特に興味を持っているトピックに触れない、子どもが持っている才能を認めない、できる範囲で少しずつ他の人と接する機会を増やさないこと。