学校におけるメンタルヘルス

親や教師向けの心理教育教材

質問票をダウンロードして使用することで、様々な種類のメンタルヘルスの問題のレベルを確認することができます。保護者の方が使いやすい言語 (ポルトガル語、日本語、英語) で回答し、教師や支援者は、翻訳された質問票を見て保護者の回答を確認してください。評価の基準はブラジルの子供に基づいています。

心理教育の目的は?

この資料は、児童・思春期の子どもが学校で経験する様々なメンタルヘルスの問題について、教育現場の皆様の理解を深める手助けになることを目指し、心理と教育の専門家によって作成されました

また、子どもが抱えるメンタルヘルス上の困り感に対する支援や、専門的な支援を求める際に役立つツールを提供することを目指しています。

メンタルヘルスとは?

メンタルヘルスは、色々な感情や考えを持って行動し、良好な対人関係を保つことができるような心の状態のことです。心の健康と身体の健康は、お互いに影響を及ぼし合い、快適で充実した生活を送るためには、同じように重要です。

感情とは気持ちのことです。悲しみ、不安、心配、喜び、恐れ、怒り、高揚感などがあります。

思考は思いや考えです。自分や他人、または状況に対する思いや考えは、ポジティブなものもあればネガティブなものもあります。

行動は活動、態度、環境への反応です。適応的なもの(協調を促す、他人を助ける等)もあれば、非適応的なもの(攻撃的、自分を孤立させる等)ものもあります。

メンタルヘルスのスキルと機能

メンタルヘルスには、2つの評価軸があります。
1つ目の軸は、子どもの感情/気持ち、思考/認知、行動/活動に関する能力や困難です。
2つ目の軸は、地域社会、学校、家族や友人との関係、そして余暇活動で、子どもがどのように機能するかです。

メンタルヘルスの困難を抱えている子どもは、

メンタルヘルスが良好な子どもは、 自分の感情にうまく対応し、生産的で有意義な生活につながる考えやアイデアを持ち、他人と良い関係を築くことができるような行動をとります。 また、地域社会に溶け込み、学習と社交の場として学校をうまく活用し、達成したことや困難なことを分かち合う友達を持ち、家族とも良い関係を築き、余暇活動を楽しむことができます。このような子どもは逆境や喪失、挫折を経験しても強く生きていくことができます。

メンタルヘルスの困難を抱えている子どもは、うまく自分の感情に対応できず、不適応な思考を持ち、孤立や対人的問題につながるような行動をします。 メンタルヘルスの問題を抱えている子どもは、地域社会に溶け込めない、学校で孤立する、家族とうまく関係を持てない、余暇活動を楽しめないなどの困り感を抱えています。メンタルヘルスの問題は、癇癪を起こす、泣き止まない、気分が高揚する、ひきこもる、攻撃的になる、といった様々な形で現れます。

メンタルヘルスが良好な子どもは、

両端のある連続的なメンタルヘルス

メンタルヘルスは、良好である、問題があると二分できるものではありません。メンタルヘルスの状態は、人によって様々です。つまり、メンタルヘルスは、両端はあるものの連続体としてとらえるべきものといえます。

Continuum

子どもが持っているメンタルヘルスのスキルを把握し、良い面を促していくことと同時に、児童・思春期に起こりうるメンタルヘルスの問題に気づくことが大切です。

メンタルヘルスの問題を特定する

健全な発達を促進し、メンタルヘルスの問題に対処するためには、子どもの長所に焦点をあてることが重要な場合が多くあります。例えば:

メンタルヘルスの問題を特定する
  • 社交性、共感力、人を喜ばせたり人の協力を促したりする力
  • 運動能力
  • 芸術的才能(音楽、ダンスなど)
  • 人の話を聞き、気遣う力
  • ストレスに耐え、困難な状況にうまく対処する力
  • 恐怖に立ち向かう力
  • 人を尊重する力
  • 学校の規則について建設的に考え、尊重し、疑問を持つ力
同時に、学校で起こる問題や子どもの困り感に注意を向けることも重要です。

メンタルヘルスの問題を抱えている子どもに対する支援方法は?

  • 子どもの話に、親身になって話を聞き、しっかりと関心を向ける。
  • 子どもが、学校で他の子どもたちの輪に入れるようにサポートする(例:子どもが自分で何かをやるのを待つのではなく、適切なグループや集団活動を見つけて、それに入れるように促す)。
  • 運動や文化的な活動を勧める。
  • サポートの輪を作る手助けをする。

支援を妨げる可能性があることは?

  • 子どもの感情に関心を向けないこと。
  • 子どもの気持ちを真剣に受け止めず、そのように感じるべきかどうか関連性や正確性を疑うこと。

動画はポルトガル語ですが、Settingから、Auto-translateをクリックし、日本語を選択して、C Cをクリックすると字幕か出ます。

HabitE: WhatsApp ペアレントプログラム(ブラジル・ポルトガル語版)

この研究プログラムは、4歳から10歳までの行動のチャレンジがある子どもを持つ親を支援することを目的としています。家庭などでよく課題となる「切り替え」の場面を例にとり、行動支援の方法を支援します。

参加すると、WhatsAppで、アンケートに回答するためのリンクと、6本の教育ビデオを視聴するためのリンクが送られてきます。これらのビデオでは、望ましい行動を促すための行動療法に基づいたサポートの方法を紹介し、親御さんが前向きな子育て習慣を身につけられるよう促します。

日本に住んでいるブラジル人の保護者はこちらから: 参加する

Habite