通常の恐怖と過度な恐怖の見分け方は?
恐怖は、危険な状況に直面した時に感じる自然で適応的な感情です。恐怖は、自分を守るために、実際にある危険を回避できるよう行動を促します。しかし、人によっては、一般に無害であると考えられている状況においても過度の恐怖を感じることがあり、これらは恐怖症として認定される場合があります。適応的な恐 怖心と恐怖症をどのように見分けたらいいのでしょうか?
恐怖が強く、長く続き、合理的でなく、恐怖を感じている対象の物や状況の実際の危険度に見合わず、苦痛や恐怖を感じる状況の回避につながる場合、 恐怖症とされます。
紛争や武装的暴力が頻繁に起こる地域では、その現状を考慮しながら恐怖心に対応する必要があります。率直かつ正直に、子どもが気持ちを話し合うことができるような機会を設けましょう。家族や保護者が病気になったり亡くなったりした場合も同様です。このような場合には、恐怖をいつも以上に感じることは普通の反応です。トラウマとなる出来事への身体的および精神的な反応は予想されるものではありますが、それでも子どものメンタルヘルスに悪影響を与えることがあります。
過度な恐怖心を示す子どもを支援するためにできることは?
- 子どもが直面している困難を解決する方法を一緒に考えて協力できることを伝える。
- 誰でも多かれ少なかれ恐怖を感じることがあり、その感情に対応する方法があることを伝える。
- 呼吸法を教える。(ゆっくり深く呼吸することで、不安が軽減される。)
- 子どもの許容範囲を確認しながら、小さな頑張りを応援しながら、恐怖を感じる状況に立ち向かってみるようサポートする。
- 子どもの合意を得た上で、家族や支援チームに子どもが抱えている過度な恐怖による困り感を共有する。子どもが抱える過度の恐怖を適切に評価し治療することで、子どもが制限なく生活できるような支援を促す。
支援を妨げる可能性があることは?
- 過度な恐怖に伴う困り感を軽視し、大袈裟な反応をしていると伝えること。
- 回避行動を無視すること。
- 子どもの合意なしに、耐え難いレベルの恐怖に立ち向かうよう促すこと。
- いじめが恐怖の原因であるという兆候があるにも関わらず、いじめ解消に向けて介入しないこと。
- 身体的または心理的トラウマの原因となっている可能性がある環境的リスクを無視すること。